木曽さんちゅうpresents❝〇〇さんのちょっとイー話❞

喋ることを生業とする、妻と4人の男の子の父の6人家族の太った世帯主です。以前はWコロンという名前で、現在はケンメリという漫才コンビでツッコミを担当しております。このブログでは、私、木曽さんちゅうが接した〇〇さんの知られざる“ちょっとイー話”を紹介するブログです。

第7話・スマイリーキクチさんの❝決して感情的にならず、冷静でいること❞

今回は…スマイリーキクチんのちょっとイー話♪

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まずは前言撤回させて下さい。

 

“ちょっとイイ話”ではないかもしれません、だって大変な思いをされたのだから。

 

今回もとにかく、私がキクチさんから感じたことを書かせて頂きたいと思います。

 

エリート街道まっしぐらのキクチさん、フリーター芸人の私。

 

…エリート、というのはキクチさんは否定されるかも分かりませんが(^^;)

 

 

私がこの“お笑い芸人”の世界に飛び込んだのは…今から遡ること24年前のこと。

 

その頃のお笑い業界は…“爆発前夜”といった感じでして、ライブシーンも盛り上がっておりましたし、人気のある芸人さんもいっぱいおりました。

 

特に人気のあったのが、後にフジテレビの『ボキャブラ天国というネタ番組に出演することになる方々。

爆笑問題さん、BOOMERさん、海砂利水魚(現くりぃむしちゅー)さん、ネプチューンさん、X-GUNさん、金谷ヒデユキさん、底抜けAIR LINEさん(メンバーの古坂さんはあのピコ太郎のプロデューサー)、、、挙げたらキリがない、まだまだ沢山の方々がこの『ボキャブラ天国』に出演し、スターとなって行きました☆彡

 

そんな『ボキャブラ天国』で人気になった芸人さんの内の1組が…スマイリーキクチさん。

 

物腰柔らかな語り口で常に笑顔を湛えている、しかし内容は…痛いところを突くような毒舌!

 

ボキャブラ~』に出てらっしゃった頃のキクチさんは、他のボキャブラ芸人の皆さんと同じく…“売れてる先輩芸人さん”の1人、という感じ。

芸事で月に1000円も稼げなかった僕にとって、まさに“雲の上の存在”といった感じでした。

 

“生スマイリーキクチ”に感動して。。。

 

それから何年か経って、お笑いライブでご一緒する機会がありました。

 

先輩ですから勿論ご挨拶し、楽屋で雑談のお相手をして頂きました♪

その時の印象も…やはりテレビと同じ、とにかく穏やかでずっと笑顔、、、しかしながら毒舌の類は…なし。

勿論伺うエピソードには笑わせて頂きましたし話してて本当に楽しい、本当に優しい先輩なんです。

 

そのライブでトリだったキクチさん。

 

これが自分的には衝撃でした。

 

テンションがずっと安定している、勿論表情豊かなんですが、テンションはとにかく一定。

ならばだらだらしてるか、というと、そうではなく、、、ネタが面白いからどんどん惹き込まれる!

 

私も長い間漫談(1人喋り)をやっていたので、その凄さが身に沁みました。

 

漫談って漫才と違ってずっと喋り続けなきゃいけないので…私みたいなレベルだと、どこかでテンポをあげたり、変にキャラ付けたり、言い方を変則的にしたり、はたまた言葉に力を入れたりして…“何とか笑いを取りに行こう!!”…としてしまうんです。

ところがキクチさんには…私が漫談をやるにあたって付随してしまうそういった“装飾”が全くなかったのです!

 

これはネタに限らず、例えば“人前で話す”ということで考えてみると、判る方も多いんじゃないでしょうか?

 

普通に喋るってとても難しいんです!

 

 

もう大好きになりましたねぇ、キクチさんのことが。

 

私が“エリート”と目を細めて見ていたキクチさんは、実は運がもたらしたモノではなく、しっかりとした実力に裏付けされたモノでした!

 

…でもこの頃既に…あの“ネット被害”に遭ってらっしゃったのです。。。

 

 

ネットで犯罪者扱いされてしまったキクチさん。

キクチさんの地元・足立区で起きた殺人事件、その犯人グループの1人がキクチさんだ、という、根も葉もない話をでっちあげられたのです。

詳しくは…インタビュー記事があります。

www.asahi.com

 

楽屋では、そのネット被害に関する話を耳にすることは一度もありませんでした。

正直私はそのことをあまりよく知らなかったので…私からその話をしなかったこともあるでしょうし、私の知る限り、周りの芸人もその話題をする者は居ませんでした。

 

凄まじいストレスです。

 

事実無根の噂を広められ、その噂を打ち消す術のない状況で…お笑いという、ちょっとでもネガティブな情報があると、直ぐに影響を受けてしまうような繊細な仕事をしているのです。

 

笑いを取るにあたり、こんなハンディキャップはありません。

 

それでも私が知り得る限り、キクチさんが滑っているのを観たことがありません。

 

腹立つでしょう、嫌になるでしょう、自暴自棄になりかねないでしょう、、、それでもキクチさんは屈することなく、ネットによる事実無根の誹謗中傷と戦うことにしたのです。

 

そして今まで前例のない、特に悪質な書き込みをした19人を警察が特定し、検挙するところまで漕ぎつけたのです。

 

18年ですよ、あまりにも長い闘いです。

 

決して感情的にならず、あくまで冷静に、そう、まるでそれはキクチさんの芸風と同じ。

 

苦境に立たされたときこそ冷静に、、、中々出来ないことです。

 

ここまで読み進めて頂いた皆様、これで事態は収束したように感じませんか?

 

次回は…キクチさんをゲストにお招きして2人でやらせて頂いたトークライブの終演後、キクチさんがふとこぼした一言について紹介したいと思います。

 

【つづく】